キジ・雉子
Phasianus versicolor
キジ科 留鳥
日本の国鳥で、本州、四国、九州の明るい野原や農耕地に生息する。全長は雄が80cm、雌が60cmほどで、尾が長い。雄は目の周りに赤い肉腫があり、繁殖期になると、「ケーン、ケーン」と鳴く。
カルガモ
軽鴨 Anas
zonorhyncha
カモ科
本州以南では日本で唯一の留鳥のカモ。湖沼や河川、水田などでふつうに見られる。全長60cmほどで雄の方が大きい。くちばしは黒くて先端が黄色、顔には2本の黒線があり、脚はオレンジ色などの特徴がある。カモ類としてはめずらしく雌雄の区別があまりない。初夏の繁殖期にはヒナを連れているのが見られる。
オシドリ
Aix galericulata
カモ科
関東地方では留鳥として周辺に森林のある湖沼や河川、都市内の公園などに生息する。雄は美しい飾り羽があってカラフルであるが、雌は地味で全身が淡い灰色であり、目の周りと後ろに白い線が入る。雌だけで営巣から子育てまでを行ない、つがいの相手も代わる。大木の樹洞に営巣するが、適当な営巣場所がないときは、地面で営巣することもある。千葉県RDB:重要保護生物(B)。
ハクチョウは家族や気に入った仲間同士で生活する。朝8時~10時頃、夏目の堰を飛び立ち、周辺の水田で落ち穂や雑草を食べ、夕方遅くに堰に帰ってくる。ハクチョウは10月下旬~3月上旬まで見られる。写真で下の2羽が幼鳥である。
カンムリカイツブリ・冠鳰 Podiceps cristatus cristatus カイツブリ科
冬鳥として海岸や湖沼、河川に渡来するが、本州の各地で繁殖が確認されている。大型のカイツブリで首が長い。雌雄同色で、夏羽と冬羽(写真)がある。潜水を繰り返し、魚類や甲殻類、昆虫などを捕食する。
カワウ・河鵜Phalacrocorax carbo hanedaeウ科
世界に広く分布し、日本にはその亜種が生息する。内湾から内陸の河川や湖沼までの水域で見られる。全長80cmほどで、くちばしの先端は魚を捕るために鉤状になっている。集団で営巣地(コロニー)を林や人工物を利用してつくり、コロニーは繁殖期以外もねぐらとして利用される。千葉県RDB:一般保護生物(D)
オオバンFulica atra
クイナ科 留鳥・冬鳥
全身が黒く、くちばしと額が白い。湖沼や湿原などに生息し、水辺の茂みで繁殖する。食性は草食性の強い雑食性。千葉県RDB:要保護生物(C)
アオサギ・蒼鷺
Ardea cinerea サギ科
本州では留鳥として水田から海岸まで様々な水辺に生息する。国内最大のサギで、目の後方から濃紺の帯があり、長い冠羽へとつながっている。首には濃紺の縦斑がある。主に魚類や両生類、昆虫類を捕食する。集団営巣地(コロニー・サギ山)で繁殖する。
ノスリButeo japonicus
タカ科 留鳥・冬鳥
北海道、本州、四国の草原や農耕地で見られる。トビよりやや小さく、空中でホバリングしながら獲物を探し、ネズミや小鳥、昆虫などを捕食する。千葉県RDB:要保護生物(C)
コゲラ・小啄木鳥Dendrocopos kizuki
キツツキ科
全国各地に分布する留鳥。雑木林に生息するが、市街地の街路樹や公園でも見かけるようになった。全長15cmほどで、主に昆虫やクモなどを捕食するが、果実や花の蜜なども食べる。広葉樹の枯れて柔らかくなった部分に穴をあけて産卵する。
メジロ・目白
Zosterops japonicus
メジロ科
スズメよりも小型で、目の周りに白い輪があり、名前の由来になっている。雑食性だが、花の蜜や果汁を好む。繁殖期以外は群れで行動することが多く、「チー、チー」と鳴き交わす。
ツグミ・鶇
Turdus eunomus
ヒタキ科
全長24cm程。日本には冬鳥としてシベリアから集団で渡来し、農耕地や草地、河原、公園など開けた場所に分散して生息する。春になると再び群れて北へ帰る。そり返るように胸を張って小走りしては立ち止まりながら採食する。昆虫やミミズ、果実などを食べる。繁殖期ではないのでさえずることがなく、口をつぐんでいることが和名の由来だが、「ケッ、ケッ、ケッ」と地鳴きする。
コジュケイ・小綬鶏Bambusicola thoracicus thoracicus キジ科
本州から九州の暖地の山林に生息する。中国南部、台湾原産で狩猟の対象として放鳥されたものが繁殖し、広く分布するようになった。大きさはハトぐらいでずんぐりとした体形。「チョットコイ、チョットコイ」とかん高い声で鳴く。警戒心が強く、あまり姿を見せない。
マガモ・真鴨Anas platyrhynchos platyrhynchos カモ科
日本では冬鳥として各地に渡来し、北海道や本州の山地では繁殖する。国内で最も多く見られるカモ。雄は首から頭部が光沢のある緑色で、首には白い輪があり、嘴は黄色い。足はオレンジ色。雌は淡褐色と暗褐色のまだらで、嘴はオレンジに黒が混じる。アヒルはマガモを品種改良したもの。
オナガガモ
尾長鴨
Anas acuta
カモ科
冬鳥として各地に渡来する。他のカモ類と比べて、首と体が長い。雄は茶色の頭と首にかけての白いS字カーブ、名前の通り長い尾羽がある。
ハシビロガモ・
嘴広鴨
Anas clypeata カモ科
冬鳥として渡来し、プランクトンの豊富な富栄養化した湖沼で見られる。雄の羽はカラフルな色彩だが、雌は地味な褐色。ヘラのようなくちばしを水面につけて、左右にふりながら、または、ぐるぐる回りながら水中のプランクトンなどをくちばにあるブラシのようなものでこしとって食べる。
コハクチョウ・小白鳥Cygnus columbianus カモ科
コハクチョウはユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏(ツンドラ地帯)で繁殖し、日本では北海道から九州までの各地に、冬鳥として渡来する。東庄町の夏目の堰では13年前から餌付けを行い、ハクチョウが渡来するようになった。ハクチョウの多くはコハクチョウである。
バン・鷭
Gallinula chloropus
クイナ科
北海道や東北地方では夏鳥、それ以外では留鳥として全国各地のヨシやガマなどの水草が茂る湖沼や河川、湿地、水田、公園の池などで見られる。ハトくらいの大きさで、額と嘴の根元は繁殖期には赤く,非繁殖期には暗緑色になる。嘴の先端は黄色い。脚に水掻きはない。「クルゥ、クルゥ」と鳴く。水辺に枯草で皿状の巣をつくる。千葉県RDB:重要保護生物(B)
アマサギ
Bubulcus ibis coromanda
サギ科
日本では夏鳥として飛来し、農耕地でよく見かける。九州以南の暖かい地域では留鳥として越冬する個体もいる。全長は50㎝ほどで、夏羽は頭から胸と背中がオレンジ色になり、冬羽は全身が白くなる。嘴は黄色い。ミミズやカエル、小魚、昆虫などを捕食する。繁殖期になるとコロニー(集団繁殖地)を形成し、樹上で営巣する。
アオバズク Ninox scutulata
フクロウ科
夏鳥として全国に渡来する。全長は30㎝くらい。社寺林などに残る大木の樹洞で繁殖する。夜行性であり、昆虫やカエルなどを捕食する。「ホッホウ、ホッホウ」と繰り返し鳴く。千葉県RDB:最重要保護生物(A)
カワセミ・翡翠
Alcedo atthis
カワセミ科
全国各地に分布する留鳥。全長17cmほどで、背中は鮮やかなブルー、胸と腹はオレンジ、喉と耳の辺りは白い。雄の嘴は黒いが、雌は下嘴が赤い。河川や湖沼の枝や岩などに止まり、水面に飛び込んで魚を捕る。土の崖に横穴を掘って産卵する。千葉県RDB:要保護生物(C)
ハシボソガラス・嘴細烏
Corvus corone カラス科
北海道から九州までの農耕地や河川など開けた場所で見られる。全長50cmほどで、全身真っ黒で、瞳も脚も黒い。くちばしが細く、額は盛り上がらない。「ガァー、ガァー」と鳴く。植物食傾向が強い雑食性。見晴らしの良い樹上などに営巣する。