オオイヌノフグリ
Veronica persica
ゴマノハグサ科
ヨーロッパ原産の雑草。早春から1㎝ほどでコバルトブルーの花を多数つける。花の中心には2本の雄しべと1本の雌しべがある。花弁は日が当たると開き、日がかげると閉じる。別名には瑠璃唐草(るりからぐさ)や天人唐草(てんにんからくさ)、
星の瞳(ほしのひとみ)がある。花期は2月~5月。
イチリンソウ・一輪草 Anemone nikoensis
キンポウゲ科
本州から九州の落葉広葉樹林の林床や林縁に生育する。地下茎を広げ、大きな群落をつくる。花弁はなく、がく片が花びらのように見える。花期は3~4月。千葉県RDB:一般保護生物(C)。
ニリンソウ・二輪草 Anemone flaccida
キンポウゲ科
2㎝程の白いがく片が花弁のように見える。多くは1本の茎から2輪ずつ花茎が伸びて、和名の由来になっているが、まれに1輪や3輪のものがある。花期は3~4月。
カタクリ・片栗
Erythronium japonicum ユリ科
北海道から九州北部までの落葉広葉樹林の北側斜面に自生する。鱗茎には良質のデンプンが含まれ、精製されたものが片栗粉であったが、現在はジャガイモに代用されている。種子が発芽してから花を付けるようになるまで7、8年かかる。成株は早春に2枚の葉を出して花を咲かせ、その後まもなく地上部は枯れる。生育期間が短いことから「スプリング・エフェメラル」と呼ばれる。種子にはアリが好むエライソームという物質が付いており、アリが種子を散布する役割を担っている。花期は3下旬~4月上旬。千葉県RDB:重要保護生物(B)
フキ・蕗 Petasites japonicas キク科
日本原産で全国各地の山野に自生する山菜。早春、葉より先に花茎が伸び出す。これを蕗の薹(フキノトウ)と呼ぶ。雌雄異株で自家受精を避けている。触って硬ければ雄株(写真左)で柔らかければ雌株(写真右)である。雄株の小花には5つに裂けた花冠があるが、雌株にはそれがない。雌株は花後、花茎が立ち上がる。これを薹が立つという。天ぷらやみそ炒めにして香りやほろ苦さを味わう。花期は3月~4月。
ホトケノザ・仏の座 Lamium amplexicaule
シソ科
日本では北海道以外の各地の田畑の畦や道端でよく見られる雑草。和名は葉が仏様の座る蓮華座に似ることに由来する。草丈は10~30㎝ほどで、茎は四角い。花期は3~6月。
タチツボスミレ・立坪菫Viola grypoceras
スミレ科
全国各地の山野に自生し、日本ではごく普通に見られるスミレ。ハート形の葉と花後に茎が立ち上がることが特徴である。花期は3月~5月。
フモトスミレ・麓菫Viola sieboldii スミレ科
岩手県から九州までの日当たりのよい山間の林縁や林床などに自生する。1㎝ほどの小さな白い花で、下側の唇弁に濃い紫色の筋が入る。葉裏は紫色。花期は4~5月。千葉県RDB:一般保護植物(D)
アカネスミレ・茜菫Viola japonica スミレ科
北海道から屋久島までの日当たりのよい雑木林の林縁や道ばた、畑の土手などに生育する。花は鮮やかな紅紫色で、紫色の筋が入る。全体に短毛が密生する。花期は4月~5月。
オオシマザクラ
大島桜
Cerasus speciose
バラ科
伊豆諸島が原産で、房総半島や伊豆半島では薪炭用に植えられたものが野生化している。葉の成長とともに花をつける。花弁は白色で大きく、がく片に鋸歯がある。葉には芳香があり、塩漬けにした葉で桜餅を包む。花期は3月下旬~4月上旬。
ヒトリシズカ・一人静Chloranthus japonicus
センリョウ科
北海道から九州に分布し、山地の林内、林縁に自生する。源義経の恋人であった静御前にちなんで命名された。丈は10~30cm。光沢のある4枚の葉の中心にブラシ状の小さな白い花をつける。花のように見えるのは雄しべで、花弁はない。花期は4~5月。
ゲンゲ・紫雲英 Astragalus sinicus マメ科
中国原産。緑肥や牧草、蜜源植物として移入された。名前は花が一面に咲いている様子が紫の雲のように見えることに由来する。ハスの花(蓮華)に似ることからレンゲともいう。かつては水田にゲンゲの種をまき、春先に成長したゲンゲをそのまま水田にすき込んで緑肥とした。ゲンゲはマメ科植物であり、マメ科植物には空中の窒素を固定する根粒菌が共生し、その働きにより肥料成分の窒素を蓄えることができる。化学肥料の普及により姿を消しつつある。花期は4~5月。
オドリコソウ・踊子草Lamium album var.
barbatum
シソ科
北海道から九州の半日陰の山野や道端に自生する。草丈は30cmほど。和名は花が笠をかぶった踊り子に見えることに由来する。花期は4月~6月。
ウラシマソウ・浦島草Arisaema urashima
サトイモ科
北海道南部から九州の山野の木陰に自生する雌雄異株の毒草。地中の塊茎で増えるのでかたまって生えることが多い。春先に仏炎苞(ぶつえんほう)をもつ肉穂花序をつける。和名は花序から伸びた付属体を浦島太郎の釣り糸に見立てたことに由来する。秋に果実がトウモロコシのようにつき、熟すと朱赤色になって目立つ。花期は3月~5月。
クサイチゴ・草苺
Rubus hirsutus バラ科
本州から九州の山野にふつうに見られる。高さは50cmほどで、白い花が咲いた後に、果実が赤く熟し、食用になる。花期は4月。
フデリンドウ・筆竜胆Gentiana zollingeri
リンドウ科
北海道から九州までの日当たりのよい草地や林床に自生する。花の閉じた状態が、筆の穂先に似ることが名前の由来になっている。頂部に数個の花がつく。花期は4~5月。
クマガイソウ・熊谷草Cypripedium japonicum
ラン科
北海道南部から九州の竹林や山林に自生し、大きな群落をつくる。草丈は20~40cmほど。名前の由来は、花の形が鎌倉時代の武将熊谷直実が背負った母衣(ほろ)に見立てて名付けられた。花期は4~5月。環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)、千葉県RDB:重要保護生物(B)
ウマノアシガタ
馬の脚形
Ranunculus japonicus
キンポウゲ科
全国各地の日当たりの良い草地に自生する毒草。和名は花の形が馬に履かせたわらじに似ることに由来する。直径2㎝ほどの光沢のある黄色の5弁花を咲かせる。花期は4月~6月。
ノアザミ・野薊
Cirsium japonicum
キク科
本州から九州までの明るい草地に自生する。草丈は50~100㎝ほどで、先端に赤紫の花をつける。花期は4月~8月。
ニガナ・苦菜
Ixeris dentata キク科
全国各地の日当たりのよい土手や田の畦などにふつうに見られる。苦味のある白い乳液を含むことが和名の由来となっている。茎は直立して高さ20〜50cmになる。花期は5月〜7月。
フジ・藤
Wisteria floribunda
マメ科
本州から九州までの日当たりのよい山野に自生するつる性落葉高木。周辺の樹木に巻き付きながら成長する。古くから観賞用として栽培され園芸品種が多い。花期は4月~5月。
ナガミヒナゲシ
長実雛芥子
Papaver dubium ケシ科
ヨーロッパ地中海沿岸原産。最近、路肩や空き地で良く見かける。大量の種子が散布されるので、今後の分布拡大が懸念される。花期は4月~5月。
ヤマツツジ・山躑躅 Rhododendron obtusum var. kaempferi
ツツジ科
北海道南部から九州の山野に自生する日本の代表的なツツジ。花期は4月~6月。
タブノキ・椨の木 Persea thunbergii
クスノキ科
秋田県以南から沖縄までの海岸近くに自生する照葉樹林の代表的な樹木。花期は4月~5月。
スダジイ
Castanopsis cuspidata var. sieboldii ブナ科
福島県以南から九州までに分布する照葉樹林の代表的な樹木。花期は5月。堅果(どんぐり)は翌年に熟し、食用になる。
キショウブ・黄菖蒲Iris pseudacorus
アヤメ科
ヨーロッパ原産で、明治時代に観賞用として導入されものが、各地の湖沼やため池、河川などで野生化している。花茎は1m前後で、花は一日でしぼむ一日花。花期は5月。太い地下茎で増えるため、生態系被害防止外来種リストにより、「重点対策外来種」に指定されている。
ノイバラ・野茨
Rosa multiflora
バラ科
ノバラ(野薔薇)ともいう。沖縄を除く、全国各地の明るい山野や道端にふつうに見られる。半つる性で、枝先に芳香のある白色または淡紅色の花を房状につける。秋に果実が赤く熟す。バラの原種の1つであり、園芸品種の接ぎ木苗の台木に使用される。花期は5~6月。
センダン・栴檀 Melia azedarach センダン科
伊豆半島以西の海岸近くに自生する落葉高木。関東地方で見られるものは植栽されたもの。薄紫色の甘い香りの花が咲く。11~12月に淡黄色の果実が熟す。樹皮や果実が駆虫薬や鎮痛薬として用いられた。「栴檀は双葉より芳し」ということわざの栴檀は、日本では白檀 (ビャクダン)という香木 を指す。白檀は発芽した時から香気を放つので、大成する人は幼少のときから優れているという意味。花期は5月~6月。