カブトムシ
Trypoxylus dichotomus
septentrionalis
コガネムシ科
日本では最大級の甲虫。自然分布は本州から九州までで、里山の雑木林に生息する。成虫はクヌギやコナラなどの樹液を吸う。雌は雑木林の腐葉土や朽ち木の下に産卵する。幼虫はそれを食べて越冬する。6月頃に蛹になり、およそ3週間後に成虫になる。
オオルリハムシChrysolina virgata
ハムシ科
本州と佐渡の湿地で見られる。ハムシの中では最大級で、体長は10~15mm。赤、青、緑等の金属光沢がある。食草はシソ科のシロネやクルマバナ、エゴマなど。環境省RDB:準絶滅危惧(NT)、千葉県RDB:重要保護生物(B)
モンキアゲハ
紋黄揚羽
Papilio helenus
アゲハチョウ科
日本では関東以西に分布する最大級の蝶で、後翅に大きな斑紋がある。春型と夏型があり、夏型のほうが大きい。幼虫はミカン科を食草とし、さなぎで越冬する。
ベニシジミ
紅小灰蝶
Lycaena phlaeas
シジミチョウ科
北海道から九州までの日当たりの良い草原や人里でよく見られるチョウ。春先に出現する。幼虫の食草はスイバやギシギシ。
ウラナミシジミ・裏波小灰蝶 Lampides boeticus シジミチョウ科
本州(房総半島南部以南)、四国、九州、南西諸島に分布する。翅の裏面に茶色と白色の波模様があり、和名の由来になっている。また、後翅に触角のような尾状突起と目のようなオレンジ色の眼状紋があり、頭に似せた擬態をしている。翅の表面は弱い光沢のある薄青色。幼虫はフジマメやクズ、ハギなどのマメ科植物の花や若い果実を食べる。
ムラサキシジミ・紫小灰蝶 Narathura japonica シジミチョウ科
東北南部以南に分布する。前翅長が15~20㎜ほどで、翅表は青紫色に輝き、周囲が黒褐色に縁取られる。幼虫の食樹はアラカシやイチイガシ、スダジイなどのブナ科の常緑樹で、これらの林やその周辺で見られる。成虫で越冬する。
アカタテハ・赤立羽Vanessa indica
タテハチョウ科
全国各地の森林周辺の草地で秋によく見られる。前翅長は35㎜前後で、前翅裏面に明瞭な青い斑紋が3つ並ぶ。成虫で越冬する。幼虫の食草は、カラムシ、ヤブマオ、イラクサなどのイラクサ科の他、ケヤキやハルニレなどのニレ科植物の場合もある。
ツマグロヒョウモン
褄黒豹紋
Argyreus hyperbius
タテハチョウ科
南方系の蝶だが、分布域が北上している。前翅長は40㎜前後で、雄は全体的にオレンジ色の豹柄模様だが、雌は前翅の先端が黒く、斜めに白い帯があり、毒をもつカバマダラに擬態している。幼虫はスミレ類の他、園芸種のパンジーやビオラなども食草とする。
ニホンカワトンボ・日本川蜻蛉
Mnais costalis カワトンボ科
北海道から九州までの水生植物が繁茂する清流で見かける。体長は50~65mmほどで、雄の翅の色は橙赤色の他に淡いオレンジ、無色の3タイプがある。羽化後未成熟な個体はメタリックな青緑色をしているが、成熟すると青白い粉で覆われる。雄は翅の縁紋が赤色で雌は白色であることで雌雄を区別することができる。
オニヤンマ
Anotogaster sieboldii
オニヤンマ科
全国各地に分布する。全長9~11cmほどの日本最大のトンボ。幼虫(ヤゴ)の期間は4~5年におよび、夏の夜に羽化し、朝方飛び立つ。
ヤマトタマムシ Chrysochroa fulgidissima fulgidissima
タマムシ科
北海道を除く日本の各地に分布する。全長は30~40㎜で、緑色の金属光沢のある構造色で、背中に赤と緑の縦じまがある。成虫は7~8月に現れ、エノキやケヤキなどの葉を食べる。雌は食樹の枯れた材に産卵し、幼虫は2~3年、その材を食べて育つ。千葉県RDB:一般保護生物(D)
ハンミョウ(ナミハンミョウ)・斑猫
Cicindela chinensis japonica
ハンミョウ科
本州から九州までの湿っていて日当りのよい砂地や道路、林道や川原などで見られる。体長は20㎜ほどで、全身に赤、青、緑、紫に輝く斑紋があり、脚が長い。和名は鋭い大あごを持ち、昆虫を捕らえる様子が猫のように見えることに由来する。人が近づくと飛び立って先に先にと着地し、振り返るしぐさから「道教え」と呼ばれる。幼虫は地面に穴を掘り、通りかかったアリなどの昆虫を捕食する。
アオスジアゲハ・青条揚羽Graphium sarpedon
アゲハチョウ科
本州以南の人里や都市部でも見かける。前翅長が30~45㎜ほどで、幼虫の食草はクスノキやタブノキである。
ウラギンシジミ・裏銀小灰蝶 Curetis acuta paracuta シジミチョウ科
日本では本州以南に分布。林縁や市街地などで見かけるモンシロチョウよりやや小さいが、シジミチョウの仲間では大型。翅の裏が銀白色に輝くのでこの名がある。表側は雄が茶褐色地にオレンジ色の紋、雌は茶色地に青灰色の紋がある。幼虫は、マメ科植物のフジやクズの花とつぼみを食べる。
ミドリシジミ・緑小灰蝶 Neozephyrus japonicus シジミチョウ科
幼虫の食草であるハンノキが生育する湿地に生息する。前翅長が20㎜ほどで、雄の翅表は青緑色に輝く構造色。6~7月に羽化する。千葉県RDB:要保護生物(C)
ルーミスシジミ Panchala ganesa loomisi シジミチョウ科
房総半島以西の本州、四国、九州の山地に局所的に分布する。名前はアメリカ人のルーミス氏が房総半島南部の山中で発見したことにちなむ。前翅長が15㎜ほどで、翅表は褐色地にコバルトブルーの構造色を持つ。食樹はイチイガシやアラカシ、ウラジロガシなど。成虫は7~8月にかけて羽化し、そのまま越冬して翌春に産卵する。環境省RDB:絶滅危惧II類 (VU)、千葉県RDB:要保護生物(C)
クロコノマチョウ
黒木間蝶
Melanitis phedima
タテハチョウ科
南方系の蝶だが、分布域が北上している。夏型と秋型があり、夏型は秋型と比べて比較的黒っぽく、翅裏に小さな蛇の目模様が並ぶ。日中は雑木林の中にいてあまり飛ばず、夕方になると活発に飛び回る。幼虫の食草はススキ、ジュズダマ、ヨシなどのイネ科植物。
アサギマダラ・浅葱斑 Parantica sita niphonica
タテハチョウ科 アゲハチョウより少し大きく、翅に半透明であさぎ色のまだら模様がある。春から夏にかけて南方から北上し、本州の高原地帯や一部は北海道まで移動して繁殖をする。秋になると気温の低下と共に南方へ移動を開始し、南西諸島、さらには台湾や香港まで渡りをすることが、マーキング調査で判明した。移動距離が2000㎞を超えるものもあり、上昇気流に乗って滑空飛行をしている。
ヒメウラナミジャノメ・姫裏波蛇目Ypthima argus タテハチョウ科
里山の林縁などで普通にみられる。モンシロチョウより小さく、翅の裏には目玉(蛇の目)模様とさざ波のような模様がある。幼虫の食草は、イネ科のチジミザサやススキ、カヤツリグサ科のショウジョウスゲなど。
ハグロトンボ・羽黒蜻蛉Calopteryx atrata
カワトンボ科
本州から九州までとその周辺の離島にも分布する。水生植物の繁茂する河川に生息する。翅が黒く、腹部は雄が光沢のある青緑色で雌は黒色である。チョウのようにひらひらと舞う。