トウキョウサンショウウオ Hynobius tokyoensis サンショウウオ科

 群馬県を除く関東地方から福島県東部にかけて分布する。全長は913㎝ほどで、丘陵地や人里の林床に生息する。1月~4月上旬に湧水だまりや水田の側溝などに産卵する。雌は1対の卵のうを産み、ふ化した幼生は水中生活の後、変態して6月上旬~7月下旬に林床で生活を始める。環境省RDB:絶滅危惧II(VU)、千葉県RDB:最重要保護生物(A)

アズマヒキガエル

Bufo japonicus formosus

ヒキガエル科

 ニホンヒキガエルの亜種で、本州近畿地方より東側に生息する。体長は1015㎝ほどで、雌の方が大きい。普段は雑木林や農耕地などに生息し、3月~4月に止水域に多数の個体が集まってひも状の卵塊を産む。幼生は全身が黒く、全長が3㎝くらいで、変態したての幼体の体長は1㎝ほどである。千葉県RDB:要保護生物(C) 

ニホンアカガエル・日本赤蛙Rana japonicaアカガエル科

 日本固有種で茶色の体色をした中型のカエル。体長は雄が3560㎜、雌が4565㎜くらい。幼生の背中には1対の黒斑がある。2月~3月にかけて水田などの浅い止水に寒天質に包まれた卵塊を産む。水田の減少や圃場整備による乾田化にともなって生息数が減少している。千葉県RDB:最重要保護生物(A)

ツチガエル土蛙Rana rugosa

アカガエル科

 自然分布は本州から九州までで、渓流や湿地、水田などの水辺に生息する。体長は雄が3040㎜、雌が3550㎜くらい。背面は灰褐色でいぼがたくさんあり,腹にも黒い斑紋がある。雄は繁殖期になると「ギュー、ギュー」と鳴く。千葉県RDB:最重要保護生物(A)

タゴガエル・田子蛙

Rana tagoi tagoi

アカガエル科

 本州から九州までの渓流沿いの森林内に生息する。和名は両生類学者の田子勝弥氏にちなむ。体長は35㎝ほどで、昆虫やクモ、ミミズなどを捕食する。背側線は眼の後ろでV字形に折れ曲がり、指先に小さい吸盤がある。下あごには細かい暗色の斑点がある。早春に伏流水中に大きな卵からなる卵塊を産む。ふ化した幼生は餌を食べず、卵黄だけで成長する。千葉県RDB:重要保護生物(B)

ヌマガエル・沼蛙

Fejervarya kawamurai アカガエル科

  自然分布は本州中部以西で、水田地帯でよく見られる。千葉県では国内移入種として印旛沼水系などで見つかっている。体長は3050㎜程で、背中の中央部に細い白線があるが、白線がない個体も見られる。白線のない個体はツチガエルに似るが腹が白く、背中のイボが小さい、口のまわりに黒褐色の小班点が並ぶことなどで異なる。

シュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii

アオガエル科

 本州から九州までの水田や湿原で見られる。名前は、江戸時代にシーボルトが持ち帰った生物標本を研究したライデン博物館長だったシュレーゲル氏に由来する。体長は雄が35㎜前後、雌が45㎜前後。繁殖期になると雄は「キリリ、キリリ」と鳴く。雌は水際に穴を掘り、そこに白い泡状の卵塊を産む。千葉県RDB:一般保護生物(D)

アフリカツメガエル

Xenopus laevis  ピパ科

 アフリカ中南部原産で成体になっても水中生活をする。体は扁平で、後肢には発達した水かきがあり、3本の指には黒い爪がある。金魚の餌などの配合飼料も食べるので実験動物用、観賞用として広く飼育されている。口内に舌がないため、両手でかき込むように摂食する。また、幼生は歯がないため、植物プランクトンなどを吸い込み、ろ過して食べる。県内では点在的に野外での定着が見られる。生態系被害防止外来種。

アカハライモリ

Cynops pyrrhogaster

イモリ科

 日本固有種で北海道と南西諸島を除く各地の水田や池などに生息する。名前のように成体の腹面は鮮やかな赤やオレンジの地に黒い斑紋がある。雄は体長10cmほどで雌は雄よりやや大きい。雌は春に卵を一つずつ水草に産み付ける。幼生は夏から秋にかけて鰓がなくなると上陸し、大きくなるまで水中には戻らない。環境省RDB:準絶滅危惧(NT)、千葉県RDB:最重要保護生物(A)

 

ニホンアマガエル・日本雨蛙 Hyla japonica アマガエル科

 沖縄を除く各地の水田や池の近くの茂みに生息する。体長は34cmほどの小型のカエルで、雨が降り出すと大声で鳴くので、この名がついた。57月の産卵時期になると、水辺に集まり、雄は雌を呼ぶために一斉に「ゲッゲ、ゲッゲ」と鳴く。

 ヤマアカガエル・山赤蛙

Rana ornativentris

アカガエル科

  本州から九州、佐渡島に分布する。千葉県では房総丘陵南部で見られる。山間の森林の林床に生息し、繁殖期になると水田などの水辺に移動して産卵する。体長は雄が4060㎜、雌が4090㎜くらい。背側線が目元で外側に大きく曲がっていることでニホンアカガエルと区別できる。千葉県RDB:要保護生物(C)

 トウキョウダルマガエル Rana porosa porosa アカガエル科

  仙台平野、関東地方、信濃川流域に分布する。主に水田に生息するため、水田の減少によって生息数が減少している。環境省RDB:準絶滅危惧(NT)、千葉県RDB:重要保護生物(B)

ウシガエル

Rana catesbeiana

アカガエル科

 アメリカから食用に移入されたものが野生化して全国各地に分布している。鳴き声が牛に似ることが和名の由来になっている。体長は15㎝を超えるものもあり、日本では最大のカエル。幼生の状態で越冬し、変態して幼体になる。貪欲で在来種を食害するため、特定外来生物に指定されている。

モリアオガエル・森青蛙

Rhacophorus arboreus

アオガエル科

 茨城県を除く本州と佐渡島の山間の森林に生息する。千葉県では房総丘陵の南部に分布する。体色は緑色だが、不規則な斑紋がある個体もいる。5月~7月に池や川、水田などで繁殖する。雄は「コッコ、コッコ」と鳴いて雌を呼ぶ。雄を背負った雌は直径1015㎝ほどの白い泡状の卵塊を産み、水際の枝や岸辺の草などに付着させる。ふ化した幼生は水中に落下し、7月~9月に変態して上陸する。千葉県RDB:要保護生物(C)

カジカガエル・河鹿蛙

Buergeria buergeri

アオガエル科

 本州から九州までの渓流に生息する。体長は47㎝ほどで雌の方が大きい。背中は灰褐色で指先に大きな吸盤がある。雄は水から出た岩の上に縄張りを持ち、盛んに「フィー、フィー」とシカのような鳴き声で雌を呼ぶ。雌は転石の下に卵塊を産み、幼生は藻類を食べて成長する。千葉県RDB:重要保護生物(B)