アカハライモリ

日本の固有種で北海道と南西諸島を除く日本全土に広く分布しています。名前のように成体の腹面は鮮やかな赤やオレンジの地に黒い斑紋があり、それ以外は忍者のように全身黒づくめです。オスは体長10cmほどで繁殖期には尾に紫色の婚姻色があらわれます。メスはオスよりやや大きく春に卵を一つずつ水草に産み付けます。真黒な幼生の形はトウキョウサンショウウオに似て外鰓をもち、夏から秋にかけて鰓がなくなると上陸して大きくなるまで水中には戻りません。そのため、イモリが生息する池や水たまりを探しても5cm以下の個体はほとんど見つかりません。

 春と秋には食欲が旺盛で、口に入るものは何でも食べるようで、市原市の休耕田での調査では1匹の胃の中から50匹以上のアカムシが出てきたり、5cmもあるガガンボの幼虫を食べていたり、さらには植物の種子まで見つかりました。

 カエルやサンショウウオと違い体の表面はざらざらしていて陸上生活に適しているようにみえ、胃の中からガの幼虫などの陸生のものも見つかりますが、基本的に水辺を住みかとしているため農薬や排水などの汚染がイモリの生息を脅かしています。